17.

2/17
前へ
/338ページ
次へ
『社長、これはどうします?』 「大体のイメージはついたから、あとは私が直接話をして決めるわ」 『わかりました。けど、最近働きすぎですから、あんまり無理しないで下さいね。』 「心配、どうも有難う。今回の物件が一段落したら、休暇をとらせてもらうつもりだから安心して。」 『休みも大事ですからね。社長のバケーションの為にも、僕達も頑張りますから。』 そう言うと、頭を下げて部屋から出ていった。 少し気が抜けて、椅子へと腰掛け休憩する。働き詰めだっただったからか、本人も少し驚くほどに体は疲れていたようだ。 すると、またしても部屋をノックする音が聞こえた。 直ぐ様、しっかりと椅子に座り直し「どうぞ」と返事をした。 『おっ、社長さん。今日も頑張ってますか?』 そう言って、顔を覗かせたのは龍介だった。予想外の人物と、突然の訪問に、一気に気が抜けた。 「どうしたの、急に。」 少し久しぶりの再会に、私の口元が自然と緩む。お互い忙しくしていた為に、会うのはざっと半年ぶりぐらいだ。 『近くまで寄ったから、ついでに。今晩、食事でもどう?』 そう言われ時計を見ると、定時を少し回ったところだった。 最近は、仕事に打ち込んでばかりだったので残業は当たり前だった。 普段なら仕事が理由で断ることが多いが、相手が龍介という事と久しぶりの再開ということもあり、私は素直に同意した。 「待ってて。直ぐに用意するから。」 そう告げ、私は仕事に区切りを付けて食事に出ることにした。 .
/338ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36583人が本棚に入れています
本棚に追加