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目が合うとすぐに、龍介は歩いて私の目の前に来た
『ちょっとこい』
そう言うと、私の腕をつかみ歩きだした
「痛いよ!どこ行くの?」
必死に抵抗しながら、龍介に聞いた
だが何も答えず腕を掴んだまま、歩き続ける
しばらく歩き、人気の無い場所に着きやっと歩くのをやめ、腕を放してもらえた
龍介を見ると、やはり物凄く不機嫌そうな顔をしている
しばらくの沈黙が続く
「…やっぱり、怒ってる?」
分かっているが、沈黙が耐えきれず聞いてみた
『怒っていないとでも、思ってんの?』
「いえ、思ってないです…」
やっぱり、かなり怒っているようだ
「振り回してごめんなさい…」
『俺は、お前が結婚したから怒ってるんじゃねーよ…』
「…え?」
じゃあ何で怒っているのか、まったく分からない
龍介を見ると、私の気持ちに気付いたのかなぜか悲しそうな顔をしていた
それを見て、余計混乱する
『…俺、梨奈ちゃんのこと本気で好きだったのに!』
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