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私たちは食事を終え、そして家路についた。
毎日が充実している日は、一日があっという間だ。
そして大嫌いだった夜も、今は家族と過ごせる大好きな時間に変わった。
「ねぇ悠司、私ね、笑うかもしれないけど・・・毎日毎日好きが更新されてるの。これ以上好きになることはないだろってぐらい毎日大好きなんだけど、それがどんどん大きくなるの。もうね、怖いくらい大好きなの。」
私は菜緒を寝かせた後、毎日悠司に甘える。
年甲斐もなく、離れることを知らないかのように。
『僕もですよ、言葉で表せばそれだけになりそうだから上手くは言えませんが、何だか息していてくれてありがとうってぐらいです。』
「えぇ、何それ。じゃあ私も、心臓動かしてくれてありがとう」
『・・・自分で言っといてなんですがこっぱずかしいですね、それ。』
「ちょっと、悠司から言い出したんだから恥ずかしいとか言わないでよ。」
『僕から言ったっていう記憶自体消したいレベルです。』
「もうっ。」
今では、ここまでの遠すぎるくらいの道のりさえも愛おしい。
きっかけだって、決してロマンスがあったわけでは無い。
偶然だって言われるかもしれないけれど、私は二人の出会いを運命と呼びたい。
毎日尽きることのない、この甘美な時間が。
いつまでも、ずっとずっと。
『ねぇ、梨奈さん。菜緒にもそろそろ姉弟でも作りません?』
「・・・うん、そろそろかも」
『まぁ僕らに似たら誰でも可愛いですからね。出来る限り作りましょう』
「もう・・・!でも、頑張ろうかな。」
FIN.
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