そら

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しばらくすると ―バンッ と大きな音で戸にぶつかる音がし、 今度は2人入って来た。 「安田の分際で、何やっとんのや。」 「すばる君のいうとおりやで。」 「紗姫ちゃん、女の子一人で心細いかな思て話しかけただけやんか。」 すばる君と呼ばれる人は、私に向き直ると下を向きながら 「…名前。」 と呟いた。 この人、人見知りなんだな。 瞬時にそう把握できた。 「美川紗姫です。」 「…そか。よろしく。」 このとき、周りの人は驚いていたらしい。 あの、すばる君が自ら話しかけた。 って。
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