8・最終バス

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「あ、バス来た。」 「おー。やっと来たな。悪い!手伝ってもらっちゃって…。」 「あんな多い課題、1人じゃ無理だって!あの先生ひどすぎだから。」 本当は、 違う言葉を言いたい。 「でも本当に助かった。サンキュ!」 ――ブロロロ… 夜になっても流れ続ける、たくさんの車。 少し大きな声で、私達は話していた。 バスが目の前に停車する寸前、ポソッと呟いた。 「それじゃ、な?」 「うん、また明日ね。」 この気持ちは、 しまっておこう。 だってあなたは、 友達の恋人だから。 ドアが閉まる。 後ろから微かに、声が聞こえた。 振り返らずにバスに乗って顔を上げずに席に座った。 たまには乗り過ごして、泣いて帰ろうか。 私の呟き。 「――好き…」 あなたの返事。 「――ありがとう。」 いっそ、嫌いと言ってください。   最終バス   「この恋の終着点    どうしたら    行けますか」 .
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