2・好きなの?

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「好きって言うの…恥ずかしいよな。」 「なに、いきなり。智(トモ)、私に言ったことないくせに。」 「うん、だって…俺…円(マドカ)の事…。」 智は真夏でも冷たいマイペース男。 付き合って3年目。 会話も少なくなったし、隣りにいて…あまり笑顔を見なくなった。 友達との約束、いつも優先したり、デートだってドタキャンばっか。 しかも「眠いから」って。 不安になっていた私に、智は今日珍しく「一緒に帰ろう」って言い出した。 普通なら喜ぶ? 私は、いつもと違う智に不安を感じた。 《別れ話》 されちゃうんじゃないかって思って、ずっと私は下を向いていた。 やっぱり当たりかな? だって円の事――…何? その先は聞きたくないな。 「だ、だって…何?」 智は急に立ち止まり、乱暴にポケットに手を突っ込んだ。 「――…てるもん。」 いつもより低い声が、不安を煽る。 え?何? そばに寄ろうとした私の手を、強く掴んで…航は言う。 素直じゃない君。 いつも私は振り回される。   好きなの?   「好きじゃねーよ。愛してる。」 .
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