4・居眠りマーク

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授業が終わった。 窓際の彼女は、起きる気配すらない。 今日、ケーキバイキング行くんじゃなかったっけ? 「おい、起きろ。」 「ん~……。」 寝言を言って、少し眉間にシワを寄せて、寝返りをうつ。 栗色のショートヘア。 その襟足から覗くうなじ。 俺はポリッと頭をかいて、 ――チュ…ゥッ…! 少し強めに吸い付いた。 吸血鬼の牙の後? 「ん…?あ…!ごめん!」 ガバッと慌て彼女は立ち上がる。 でも、首に残った跡には気付いていなくて、ふわぁっと欠伸をする。 「――バイキング。行くんだろ。」 そう言うと、彼女は困った顔をした。 「じ、実は今日休みみたいで…。」 「―――…。」 は?なんだソレ。 まぁ、こいつらしいや。 「んーじゃ、もっとウマいモノ食べに行こうか。」 「もっと美味しい?」 キョトンとする彼女に、人差し指を向ける。 人に向けちゃいけない? そんなの知るかよ。 人差し指の意味に気付いた彼女は、耳まで真っ赤にした。 悪いけど今日は、その首だけじゃ帰さねーよ?   居眠りマーク   「最上級に甘いのはお前。」 .
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