プロローグ

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   人間は退屈していた。だから話をし、自然に返り、戯れあった。  しかしすぐに物足りなくなった。だから人間は文明を――科学を発展させた。  自然を壊しては様々な娯楽施設を造り、大気を汚しては電気を生み出し様々な電子機器で気を紛らわしていた。  しかしまだ、それでも人間は満足しなかった。  満たされれば更に湧き上がる欲望。その涸れる事の無い欲望は砂漠の様に潤う事はなかった。  そこで人間は考えた。 『ならばもう一つ、新たに現実よりも自由に、思い通りに過ごせる世界を"創ろう"ではないか』  そして人間はRPGに目を着けた。 『どうにかしてキャラクターをコントローラー操るのではなく、脳で考えただけで動く様には出来ないのか。実際に触った感触等を再現する事は出来ないのか』  様々な問題にぶつかりつつも、人間は試行錯誤を重ねて電脳世界を作り出す事に成功した。  今や電脳世界は、人間にとってなくてはならない物になっていた…… .
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