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席に戻るまでにネットカフェは満室になっていた。
使用中の部屋にはランプがつく。
カタカタとキーボードの音。
客はほぼ寝ているらしく静かな店内だ。
駅に近いのでほとんどが終電に乗り遅れた人たちなのだろう。
ため息をついて席に戻り、パソコンの画面を見て有羽は驚いた。
「……これ」
画面にはアキからの発言に写メがたくさん載っていた。
それはこの半年間、有羽がデザインしたものが形となって映し出されていた。
アキ【これで信用できる?ユウがデザインしたもの、私が形にしてみたんだ】
無名の自称デザイナーが描いたデザインを形にするなんて…。
有羽は気が付くと携帯の派遣会社のホームページにアクセスし、契約をうちきっていた。
ユウ【アキに契約される!明日東京に行く!】
そのあとアキに地図と住所を発言してもらい、明日中に東京に向かう約束をした。
ユウは一瞬でアキを信用し、バタバタと荷物をまとめて翔太に電話した。
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