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中庭を抜けたところにひらけた場所が見えてきて、そこに小さな物体を見つけると思わず笑顔になる。
「よかった、今日もいた」
「わんっ」
そこに、いるのは。
「理事長さん!」
「わん!」
理事長という名のわんちゃん(多分ゴールデンレトリバー)。
なんで多分かといいますと、あまり僕が犬に詳しくないからです!
「今日も可愛いっ」
「わふっ」
し、尻尾がパタパタしてる…かわいい!
悶えながら撫でていると、薫ちゃんが走ってきた。
「隊長!やっぱりここにいたんですね」
「うん」
「あまり可愛がると飼い主が嫉妬しますよ?」
「え、飼い主居たの?」
僕知らなかった!
「理事長ですよ?隊長、まさか本当に知らなかったとか…」
「理事長っていう名前じゃないの!?」
「隊長、それ迷子になったときのための連絡先です(本当にこの犬の名前、理事長だと思ってたの!?か、可愛いっ)」
え、と。どうやら、理事長さんは理事長さんではなかったらしいです。でも、本名なんていうんだろ?
「薫ちゃんは、このわんちゃんの本名知ってる?」
「確か、ピヨでしたよ」
「ピヨ?」
「はい!」
ピヨ…
黄色くないのに、ピヨ?
「理事長、ネーミングセンスないですからね…」
「かっ…」
「?」
「可愛い!ピヨって…ピヨって……!」
「(そういえばひよこも好きだったな、隊長って…こんなにはしゃいで、可愛いすぎだろ)」
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