第一話

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呼びかけられ、俺は飛び起きる様に目をさました。 腹の上には汐。 「苦しい訳だ…」 「ママー、パパおきたっ」 「あ、起きましたか?朋也君。」 台所で料理をしている渚が振り向いた。 「あぁ…おはよう。汐、渚。」 そう言って汐の頭をごしごしと撫でてやる。 汐は体操服姿。渚が作っているのは弁当だった。 「そうか。今日だったな。」 「そうです。幼稚園の運動会です。」 渚が楽しそうな顔をして朝食を運んでくる。 汐は準備運動をしていた。 愛娘の可愛らしさに思わず顔が綻ぶ。 「朋也君。早く準備してください。遅れちゃいます。」 渚に急かされながらも支度を済ませ、靴を履く。 「今日は頑張るぞ!!」 俺の掛け声の後に 「おー!」 と二人が続く。
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