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「エイの言う通りだけど少し補足するね。あのゲームに参加すると色々体に変化が起こる。それはさっきの戦いのような身体能力の飛躍的な上昇。そして各一人一人のメインとなる超能力。
まぁあのゲームはアクションRPGだから、それくらいないとすぐ殺られる。
あとコレは良く分からないんだけどゲームの各能力は現実に反映されるの。
恭介はアナタ達を懲らしめるためにゲームを始めたみたいね」
一気に喋る唯を余所に空は一つの疑問を持ち、聞いてみた。
「じゃあお前は…その恐ろしいゲームをなんで始めたんだ?」
その瞬間、唯の顔が突然強ばった。
嫌な沈黙が支配するが、やがて唯は答えた。
「……朝倉 陽希って覚えてる?」
「ああ。中学まで同じ奴だったな。
アイツがどうかしたのか?」
懐かしい奴の名前が出てきたなと言う翔をよそに空がそう言った。
朝倉 陽希(アサクラ ハルキ)、中学まで空達と共に行動していた唯の大親友だ。
「あの子がね。
ゲームを始めてから帰って来ないの」
「「なッ!」」
空達は驚き、目を見開いた。
そして合点がいった。あの乱暴などの暴の字が何よりも嫌いな唯がその、恐らく何かと戦うであろうゲームに参加した理由が。
「で、見つかったの?」
栄汰の問いかけに、唯は首を横に振った。それが全てを物語っている。陽希はまだ見つかっていない。
「あのゲームでは死ぬことは無いから何処かにいるんだろうけど…。」
「ならやることは一つだ」
空の発言に、二人は頷いた。
唯は分からず、首を傾げた。
「俺らも手伝う」
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