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「ねぇ」
「ないや」
「ないね」
「いやマジでないな」
今まで巡ったゲームショップは数知れず。空達はまだ見つけられていなかった。
もうすでに日は少しずつ傾き始め、夕焼けが空を占めている。
「……外見はゲームというよりアクセサリーのような身に付けるものでケータイぐらいの大きさ。それを人数分三個見つけなきゃならないけどどうするか…」
「うん。諦めないで探すしかないな」
空は翔に即答し、足を進めた。
もう何キロ歩いたことか。皆もう足が棒と化していた。
「ねぇ、何処かで休んで作戦練ろう。
多分私の時は奇跡で、本当ならそんな簡単に見つかるものじゃないのかもしれないしね」
空も薄々そう感じていた。
それに体力も回復したいところ、空達は唯の提案に否なく応じた。
空達が見つけたファミリーレストランに入る時には、もう空は闇に覆われ、夜となっていた。
「そもそもなんで帰れなくなるようなゲームをやる奴がいるの?」
夕飯を食べながら、栄汰が皆に尋ねた。
空と翔は首を捻ったが、唯は口を開いた。
「ゲームの中で私も疑問に思って皆に聞いてみたよ。やっぱり身体能力の飛躍的な上昇と超能力みたい」
「それだけで死んだらたまんないのにな……陽希は何考えてんだ?」
翔の自問のような言い方に、唯は「わからない」と呟いた。
「まぁとりあえず作戦立てよう。
アレをいかに早く手に出来るかが今は大事だ。
陽希には会ったとき聞けばいいさ」
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