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「はぁ…今日はもー帰ろうぜ」
デジタル時計が22:00を告げた。
空達はファミリーレストランを出てからも探し続けたが、ついに無かった。
「確かに。こんな時間だと空いてる店がもうないよ」
栄汰も翔と同じ意見みたいだ。
繁華街から離れた場所もいくつか探した空達は肉体的にも精神的にも疲れていた。
「……だね。帰ろう。
今日も私行くつもりだし、もしかしたら見つかるかも」
唯もそう言った。
空は渋々といった様子で頷き、帰路に向かった。
「………ってちょっと待て。
今日も行くつもりって……もう夜だぞ?」
「あれ?言わなかったっけ?
ゲーム内の1日は現実世界の半ヶ月分なの。あっちで休むよ」
またしても衝撃的な事実。
「なんかもう常識で考えちゃダメだな…。まぁいいや。明日朝8時に寮集合で。」
今更だが、空達は皆寮生である。
8時に集合ということは………
「空…学校サボる気でしょ?」
「もち。当たり前だろ」
何が当たり前なのだろうか…。
「まぁね。そんぐらいやんなくちゃ見つかんないかもしれないし…。
まぁそのくらいには戻って来るね」
「おぅ」
しかしその次の日、ある事件が起こる。
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