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「なんでアイツは帰ってこない!!」
翔が前を走る空に叫んだ。
今は朝方、かなり迷惑だが空達は周りが見えなくなるぐらい焦っていた。
「俺が知るか!
ただ分かるのは『帰ってこない』じゃなくて『帰って来れない』状況にアイツは居るってことだ!時間だけは正確な奴だからな!!」
「あっちの時間とこっちの時間は合ってないらしいから早くしなくちゃ!」
「わかってるよ!手当たり次第、別れて探そう!」
そう言った翔は道を右に曲がった。続いて栄汰は左に曲がり、空は道なりに進んだ。
その時だった。
「待ってたぜぇ!空ァ!」
まさに最悪のタイミング。
道の真ん中に恭介が立っており、空はとまらざるえなくなった。
「なんだよてめえ!
どっか行け!今てめえなんぞに構ってる暇ねぇんだよ!」
「ヒャハハハッ!良い顔良い顔!
とりあえず構えよ……ヒャハハハ!!」
恭介の前にもう一人の恭介が分身された。どうやら昨日の続きをしたいみたいだ。
「……ちッ!てめえ死んでも知らねぇぞ?」
空が普段とは違う低姿勢で恭介に身構えた。恭介は狂ったように笑いながら「やれ」と分身に命令した。
分身は命令に従い、空へと襲いかかってきた。
「あめぇんだよ!」
空は高速で襲いかかってきた恭介分身を掴み、背負い投げをした。
分身は背負い投げに受け身さえも出来ず地面に伏せ、霞となって消えた。
「な!なんだよお前!
いきなり強くなったよな」
恭介が狼狽えた。
空はニヤリッと笑い、言った。
「動体視力ッ!何回も見たからお前の速さになれた!昨日の仕返ししてやるよ!」
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