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「なぁ…無視でいいかな?」
時間が経つのは早いもの。
もう昼休みになってしまった。
空はやはり面倒くさいらしく、挑戦を無視しようとしていた。
「いや、ダメだろ。
前あのバカとその他が2-C襲撃してきて色々巻き込んで大変だったろ?いいじゃん。
もう入院級の怪我をアイツに与えちゃえよ」
サラッと恐ろしいことを言う翔に押され、結局ソラは行くことにした。
かったるそうに歩く空の後ろには翔と栄汰が着いてきている。
唯は平和的に、友人達と昼ごはんを食べていた。
「今日どんな大人数かな?」
負ける確率が格段に低い栄汰が心配そうに呟く。
「前は三十人前後。皆鉄パイプ持ち。
まぁノーダメ二分で終わらしたけど」
翔が言った。
単純に考えてみよう。
空と翔が三十人を倒す。一人頭15人。
それをこの二人はわずか二分で倒す。
いわゆる……
「化け物!?」
全くもってそうだ。栄汰君。
「あの時は弓矢使ったしな…それにお前には劣るよ…着いたぞ」
空が言い、屋上のドアを開ける。
するとそこには見慣れた後ろ姿があった。しかし珍しい。
今日恭介は一人であった。
「……ソラか」
なんか違う。
空は直感でそう感じ取った。いつもの恭介なら有無言わずスキ有りと言わんばかりに殴りかかってくるハズだ。
つまり、セコいハズ。
「おい、翔とエイは手ェ出すなよ?相手はタイマンをお望みのようだからな」
翔達が頷くのを確認して、空は一歩二歩恭介に近づく。
くるりと半回転した恭介と目を合わせたソラはやはり、感じた。
―――コイツ…いつもと違う……
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