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ズレ
ママゴンは、子供達と他愛のない話しをしたり、遊びをしたり、ワイワイ、ガヤガヤ、賑やかに過ごす時間を大切にしていた。
大好きだった。
勿論、子供達にとっても、ママゴンと一緒にはしゃいでいるのは、愉しく、幸せな時間。
「キャハハハハ~~っっ!ママ、全然似てなぁ~い」
「そんなんだったら、俺にでもできるっ」
「じゃあ、次は勇太やってみてよ」
キャ~、キャ~愉しげな声を上げる美優の前で、ママゴンと七海と勇太は、物真似ごっこをしていた。
ドウブツ、バージョンダヨ。
夕食後の束の間のひとときを、いつものように賑やかに過ごしていたママゴンと子供達の耳に、その言葉は確かに届いた。
「チッ、うるさいなぁ~」
チッ、デストォ~?
静まり返る子供達+ママゴリラに変身を遂げそうなママゴン。
しかし、ママゴンは、ちゃんと言葉を選んだ。
「パパさんも、一緒にやろうよ」
と。
スマイル、デネ。
…………
………………………
……………………………………。
スル~、デスカ。
社内では、明るくて冗談の好きな白石さんだったが……
家庭では……
静寂を、こよなく愛する男だった。
ザゼンゴッコデモ、シロト?
それとも、ナニかい?
この家で笑ったら…
「ママゴン、アウト!」
と、ショッカーが尻でも叩きにやってくるんかいっ!
胸の内で、ひっそりと突っ込む、ママゴンだった。
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