溜め息と舌打ち

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ハァ~。  万全の守備体制が整っているママゴンの元に届いた、パパさんの大きな溜め息。  マッテマシタ!  不安げな表情を浮かべたママゴンは、パパさんの向かいに座り、熱い番茶を煎れながら話しかける。  「今、溜め息ついていたわよ」 フアンナカオ、キープネ。 「そうか?」 無意識に出ているものだと知り、安堵を覚えるママゴン。  これ見よがしに、溜め息をつくようなパパさんではなかったから。  そうして、いっそう不安げな顔を浮かべて、ママゴンは言った。  「この間、テレビで観たんだけどね、溜め息をつく度に、寿命が縮まるらしいの」 イッキニ、マクレ~! 「だから…溜め息はつかないように、気を付けて。パパさんには、元気で、うんと長生きして欲しいもの」 シマッタ! ワスレテタ!! 「パパさんは、しないけど、舌打ちも寿命が縮まるらしいわよ」 咄嗟の判断により…  あえて遠回りで、舌打ち情報を付け加えるママゴン。   ケッカハ、イカニ? ママゴンの作戦は、吉と出るか…はたまた、凶と出るか…。 ママゴンは、焦らずに待った。 試験の合格発表を待つような、心持ちで。
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