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光秀「しかし…………
信忠を取り逃がした事は大きな痛手だったな。」
光秀の危惧は重臣達が信忠を柱に一致団結することである。
織田家と言う組織は強大ではあるが個人個人が軍を率いている為に実際には一つ一つの勢力が光秀と同等である。
畿内の遊撃隊の役割を担う前田利家、佐々成政達は北陸の柴田勝家の元におり畿内の勢力はほぼ光秀には及ばないのだ。
貞興「拙者の失策で信忠を取り逃がしてしまいました。
責務は拙者に………」
光秀「いや。
信忠を取り逃がした所で兵をかき集めるには当分時間が掛かろう。
その間に我らは山城・近江・若狭・大和・伊勢・伊賀・志摩・紀伊全てを支配するのだ。」
そこに秀満が現れ、光秀に報告を始めた。
秀満「大和の筒井順慶殿、殿へ恭順を示されました。」
すると1人の大柄な男が秀満の後に続き膝をついた。
左近「某、筒井順慶が家臣島左近と申します。主君の名にて光秀殿に微弱ながら力添え致しまする。」
光秀「心強い者だな。
では早速左近殿は秀満と共に伊勢・志摩・紀伊を攻めてもらいたい」
左近「了解致しました。」
左近と秀満は共に陣を出ていった。
そして光秀は腕を組むと我慢していたのか笑い出した。
光秀「これで山城と大和は我が領地となった。
利三よ。
お主は若狭を占領致せ。」
利三「一月と待たずに落としてみせます。」
そう言い利三も陣を出ていった。
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