本能寺の変

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―二条城― 本能寺の襲撃は近くを警備していた織田兵達によってすぐ近くの二条城で宿舎している嫡男・信忠にも伝えられた。 報告時は時間が遅かった事もあってか信忠も眠そうな様子であったが襲撃の報告を聴いた途端に顔を強ばらせた。 信忠「何っ!?あの明智光秀が父上に謀反だと!! 馬鹿な!!!」 まさかあの魔王とも恐れられていた父に反旗を翻し、しかもそれが織田家の中核の者だったことが信忠の判断を鈍らせていた。 信忠は簡易な装備に身を整えると槍を持ち、すぐさま全ての家臣に号令を発した。 信忠「全員準備を整え次第本能寺に向かうぞ!! 父上の救援に向かう!!!!」 まだ家臣の準備も疎らなのに信忠は1人単騎で軍馬に跨がると出発しようとした。 それを慌てて止めたのが前田玄以、信長の弟の織田長益、京都司所代・村井貞勝、異母弟・津田源三郎達であった。 玄以「お待ちくだされ信忠様!! 二条城には家臣のみならず誠仁親王様、それに御嫡男の三法師様が居られます!!」 源三郎「ここは家臣を率いて安土に戻られるのが一番でございます!!!」 信忠「しかし! それでは父上を見殺しにする事になろう!!!」 貞勝「恐れながら!……… あの数に囲まれれば信長様は…………」 貞勝の重みある言葉には流石の信忠も焦りから平常心を取り戻した。
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