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奇襲したはずが、逆に奇襲された鉄砲隊はすぐさま城外に逃れようと一斉に集中した。
だがその時地面の油に濡れた干草に火矢が落下し、辺りは炎に包まれた。
二条城は内側から大量の煙が吹き荒れ、外に待機していた秀満もこれには驚きすぐさま兵士の救出に当たった。
信忠「…………よし。
全員すぐさま近江に抜けるぞ!!!」
既に騎馬に跨がる信忠を先頭にして100人は静かに京の都を後にした。
だがそれを見逃さない一人の将が居た。
それは明智軍武将の伊勢貞興であった。
燃え盛る二条城を全く気にする様子も無く辺りを観察していた貞興は火矢が放たれた方向をじっくり眺め、信忠達が居る場所を突き止めていた。
貞興「我が隊はこれより信忠を追撃する!
遅れるな!!!」
自慢の槍を片手に持ち変えるともう片方で馬の手綱を引き、一気に走らせた。
そしてそれに続く500人の兵達。
この時点では信忠達はまだ敵の追撃がある事に気づいておらず、更には細心の注意を払いながら進んでいた為に移動が遅かった。
着実に縮まる互いの距離――――
貞興「今討たねば光秀様の畿内掌握は叶わぬ!!
全員死ぬ気で掛かるのだぞぉぉぉ!!!」
怒涛の進撃で貞興らは信忠の元に突き進み、確実に追い詰めて行く。
そして遂に信忠達を前方に発見したのだった。
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