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貞興「とうとう見つけたぞ織田信忠。
魔王の血はここで断つ!!!」
貞興隊は進軍速度を更にあげ、ジリジリと信忠との距離を縮めて行った。
信忠達も必死に追走するが精鋭揃いの明智軍の前には無駄な抵抗である。
やがて信忠は前田玄以の腕の中で震える幼い息子の姿が目に映った。
まだ物心のつかない我が子が怯える姿が信忠の心をけっしんさせた。
信忠「玄以、お主はこのまま全力で安土に戻れ。
私はここで父と供に果てるぞ………」
突然の言葉に玄以は呆気に取られたがすぐに我にかえり、反論した。
玄以「何を仰有られるのでございますか!?
信長様亡き今、織田家の主君は信忠様!!」
信忠「このままでは我が子共々皆討ち取られるのみ!!
ならば我が子の命を守るのが父の定め!!!」
そう言って信忠は立ち止まり、反転しようとした。
だが信忠が振り返るといつの間にか長益と半分の家臣達が後方で刀を抜いて敵の進路を塞いでいた。
信忠「!!!
お主達!!??」
長益「信忠よ。
ここは我らに任し逃れよ!
信雄や信孝では織田家は支えられぬ!!」
信忠「叔父上!!
しかし!………」
長益「どのみち犠牲は必ずや出る。
ならばその役目はわしが受けよう!!!
さぁ急げ!!!!」
信忠「………………全員安土に急ぐぞ!!!」
信忠達は叔父の覚悟を見届けると再び安土に向けて走り出した。
長益「さてと…………皆奴らを食い止めるぞぉぉぉぉ!!!!」
家臣「おぉぉぉぉ!!!!!!!」
長益達は迫り来る明智軍に真っ向うから突撃していった........
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