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外を見ながらしばらくぼーっとしていると、階段を上がってくる音がした。――うるさいのが上がってくるな――秋人は反射的にベットの中に入り、耳をふさいだ。その瞬間、ドアを開けながら物凄い声量で父が叫んできた。
「秋人ーー!!朝だぞー!!起きないとお前の童貞奪っちまうぞ~?」
「朝っぱらから変なこと言ってんじゃねぇー!」
「グッハァァッ!!」
叫んでいるド変態に延髄蹴りを食らわせて部屋の外に吹っ飛ばした。
「…うっ……うぅ………ぅわぁぁん!!ママ~!秋人が!秋人の反抗期がまだなおらないよ~~!!」
かれこれ二年間もこんな朝のやり取りをしているのに、なぜヤツは反抗期と間違えているのだろうか。
「ハァ……朝から疲れるな……」
そんなことを呟きながら着替えを済ませて、一階のリビングに向かおうとし、ドアを開けた。
すると、目の前で誰かが小さく声を上げた。
「……あっ………」
「…ん?あぁ夏穂か。おはよう」
「うん、おはよう」
今俺の前にいる髪の毛ボサボサのヤツは冬越夏穂(フユコシ カホ )。俺の双子の妹だ。こいつも俺と同じて永輝学園に通うことになっている。活発で明るく、中学の時はアイドル的存在だった。
俺が言うのも変な話だが、顔立ちもいいほうでスタイルも(やや小さいが)出るとこは出ている。
「今朝も大変だったでしょ?私の部屋まで聞こえてたもん」
「いつもの事だよ。軽くあしらっといたし」
「よく付き合ってられるよね~」
そんなやり取りをしながら、俺たちはリビングに向かった。
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