孤独

7/7
前へ
/175ページ
次へ
千由里はせっかくの朝寝坊できるはずの土曜日も 早起きして3人分のお弁当を作り 飲み物やタオル、着替えなどを用意して夫と子供達を送り出す いつの間にか ”週に1度の土曜日“は 千由里の早起きから始まるようになっていった 家事と言っても昼前には終わってしまう テレビもつまらない 友達に電話した 土曜日… 子供もご主人がいることが多く 友達もゆっくり話せない状況をアピールしている わかってるょ… 千由里は心の中で呟いた 「忙しそうだね、ごめんね~ また電話するね!」 実家の母にも電話してみる 母が出た 「お父さんが金魚の水換えやってて手伝わされてるの、急用?」 「ううん…暇だったしお母さん元気かなぁ~と思って」 千由里は続けて言った 「忙しそうだね!別に用事じゃないからまた電話するね」 千由里は涙が出てきた 誰にも相手にされない みんなそれぞれ生活があり 用事もある 急に入り込もうとしているのは自分なのに 言いようのない孤独感に押しつぶされた 私は1人だ…
/175ページ

最初のコメントを投稿しよう!

248人が本棚に入れています
本棚に追加