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女子達がキャーキャー言って手を振っている男がいた。
そう、その男とは……「手塚様だ」
紹介よりも先に自分の紹介をしたこの男は手塚光、完全なるイケメンにして完全なるナルシスト。
ウインクする度に女の子が何人か倒れる。その時、手塚の視界にある女の子が入ってきた。
「おやおや……この学園にあんな女の子がいるとは……次の彼女はあの子にするか」
フッと笑い女の子に近付いていく。
「君可愛いね、名前なんて言うの?」
歯をキラリとさせて女の子に話し掛ける手塚。
「…………………」
よりにもよって美花だった。
無表情でチラリと手塚を見た後無言で歩いて行った。
「馬鹿な………この私が無視されただと」
手塚はその場を動けずただ立ち尽くしていた。
「なあなあ峻護、タバコ吸いに行こうぜ」
「後でな……今眠いんだよ」
子供みたいに俺の服を引っ張っている圭一に向かって言う。
「…………峻護……変な人に……話し掛けられた……」
「それは世間ではクズか変態か一発屋って言うんだよ、気をつけてね」
「うん………気をつける」
頭を撫でてあげると気持ちよさそうに目をつぶり、トコトコ歩いて行った。
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