朝、君に恋をした。

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『――明日、ここで待ってます。』 にっこりと微笑むあなたに、私は何も言えなくなる。 私が見るよりも早く、あなたは私を見つけてくれた。 想像よりも声が低くて。 離れたホームで見るよりも実際はとても背が高くて。 海を連想させる香りが、ほのかに漂う。 ああ、どうしよう。 遅刻しちゃう。 でも、嬉しくて歩き出したくない。 ――ガタン…トン… 電車を一本見送った。 だから、とりあえず――… .
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