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セルフレームのメガネ。
下に潜む大きな瞳。
さらっと風に流れる黒髪。
細身の筋肉質。
時折、カバンでズレたシャツから覗く男の人らしい体つき。
ガタイのいい元カレとは何もかもが正反対で、好みでは無いはずなのに…私を魅了してやまないんだ。
―ガタン…トン…
『―――あ、れ…?』
電車が通り抜けて顔を上げると、そこに彼の姿は無かった。
いつもそんな事ないのにな…。何かあったかな。
不思議に感じ、首を捻る。
ポケットからリップを取り出し、キャップを開けようとしたけれど――…
汗ばんだ私の手から滑り落ちた。
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