敗者

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そう、俺は敗者。 維新に降伏したなかの一人。だが、それを悔いた事は無い。新撰組であったことは俺の誇りだ。 しかし、今の世は新撰組だったという訳だけで何をされるか分かったものじゃない。会津だった奴らも大変なんだそうだ。 あれから、署内が変わった。今まで俺の後をくっつき回っていた部下は、俺との距離を取るようになった。毎日の様に汚い言葉を綴った紙が机の上に置かれている。 こりゃ、家の者にまで矛先が向かうのも時間の問題だな。 陰口、紙、そこまでは何時もと同じだった。 違うのは、部屋中に血で局長を、土方さんを、俺の誇りを侮辱する事が書いてあったこと。 ふざけるなと思った。 しかしやり返したって時間の無駄だし、敗者なんだ仕方がない。 我慢しろ。 うちなる凶器を仕舞いこめ。
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