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「おい。藤田警部補の正体って、元新撰組らしいぞ」
「あぁ、しかも三番隊隊長らしいな」
「まさか!あんなに普段大人し過ぎるのに」
「乱闘を好まないとも言ってたぞ」
「俺達を騙していたんだな」
俺の回りから人がいなくなる。今までの積み上げた信頼が壊れた。崩れた。まぁ、確かに黙っていた俺も悪いが、仕方ないんだ。ばれたら、この時代を生きるのは難しい。
しょうがないんだ。
この廊下を歩かなければよかった。そう思っても、もう遅い。
室内から聞こえてくる声に思わず耳を塞ぎたくなる。いくら新撰組が嫌われているからといっても、これだけは慣れない。
「斎藤一の命令なんか聞きたくありません!」
「そうです なぜ我等が敗者の命令を聞かなければならんのです」
「私達を異動させるか、あいつを辞めさせるかのどちらかを選んでいただきたい」
聞きたくない。
犯人はこれが目的なのか
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