家追い出されました

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家追い出されました

 そこには風景が無かった、ただ何も視界に映らなく自分は果たしてちゃんと目を開けているのか否か判らない状態に陥っているのだけは理解できた。そんな中で聴覚だけに訴えかかってくる感覚が自分にはあった…一体誰の声なのだろう 『……様、お願いです私を……て下さい』 泣きながら訴えている、とても必死に自分の意思を伝えているのがわかるが一体誰なのかを知る術はない 『…、お前は本気で言ってるのか!?……は言わば人としていられなくなる』 もう一つの別の声は怒っているのだろうか、泣いて訴える奴を叱ってるとも受け止められるがどうして叱っているのだろうか知る術は無い。 『貴方だから私は覚悟を決めます!それに…は…でしかそれを知っているのは貴方様でしょう!?』 『…解った…お前を友として…問う俺に力を貸してくれ』 それ以外の会話はもう聞こえなくなった、その途端空気が振動して空間そのものが動いてる感覚に襲われる。そしてどこからかフラッシュに似た光が周りを照らしていくのを確認して一瞬意識が遠退いた。  光を感じる、風景が感じられるようになった時見えたのは毎日見る見慣れた少し汚い天井で窓からカーテンの隙間から漏れる朝日が頭を覚醒させてくれる (ああ、また夢だったのか…) 緑色の髪をかきあげて額の汗を拭う、ここ最近同じ夢を見てしまう自分に苦笑いしながら上体を起こす。 彼の名前は『ガド』で鍛冶師として修業中である 「……何なんだろなあの夢は」 一人ただ口にするが誰が答えるわけでも無い、ガドはとりあえず起きないとなと思いベットから降りて着替えをするがどこか寝たはずなのに疲れているのは夢のせいだろう、どこか懐かしさがあり違う変な感覚が頭に残って自分がどうしてあのような夢を見るのか解らずにいた。 ⇒
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