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そんな時にドアをノックする音が聞こえる
「…開いてる」
そうガドが言えばドアが開きそこに遠慮がちに入って来たのはガドの家に使えている使用人のセシールが居た
「…家の奴が俺の所に来るなんて珍しいな」
そうガドが言えばセシールは顔を上げどこかトーンが高い声で
「ガド様旦那さまがお呼びです」
「様はいらない、俺それが苦手」
軽くそう言えばセシールは慌てて頭を下げるのがガドにとっては苦手で溜息をつきたくなるがぐっと我慢する、そのうちセシールは頭をあげていそいそとガドの近くに来てセシールは後ろに隠していた何かを取り出してガドの目の前に出す
「あのっ…これを」
セシールが手に持っているのは茶色い紙包みだった、一体何なのかとガドはセシールを見るが本人は受け取ってくださいと言わんばかりの目線をガドに向けているためガドはこれを受け取らないわけにはいかないなと少し観念したように受け取ればセシールは嬉しそうに笑う
「あのっ中…見てください」
「…?」
何故か急かすセシールに先程親父に自分は呼ばれてるから早く行かなくてはならないのではと思いながらも彼女の言う通りに中身を見れば包みの中には腕に着ける防具篭手に近いが革でできていて普段から着けててもよさそうなデザインである。
しかし、何故セシールが今自分にこれを渡すのか意味が解らずいたが次の言葉でやっと納得がいったのである
「誕生日おめでとうございます」
そう、今日はガドの誕生日だそうだ本人はすっかり忘れてたし特に気にするものではないという考えにさえなっているからである。
だがこうして祝ってくれるためプレゼントをくるたセシールに礼を言えばセシールは頬を赤くして笑っている。
「それじゃ親父の所に行くか」
ガドがそう言って歩き出せばその後をセシールが慌てて着いていく、ガドが居る部屋からガドの父親が居る所は離れていてそこにたどり着くには長い廊下と階段を繰り返し進むことでたどり着く場所である。
そして廊下を歩いているガドの足取りは嫌々な感じでどうせ行かなくてもという気持ちになるがそれでは後々面倒なことになるのは経験から知っているので実行はしないのである。
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