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そんな事を考えては気分が乗らないでいる間に多分此処にいるであろう部屋にたどり着いてしまった
(あ゛ー鬱だぁ…)
一人心の中で文句を言いながらドアをノックすれば遅れをとっていたセシールがやっと追い付いて来た
「旦那様、ガド様を連れてきました」
そう言えばドアの奥から低い声で入れと言われたのでガドはむっとしながらもドアを開けて部屋に入る。
部屋の中は広く中央には縦長のテーブルがありその奥にガドの父親である男が腕を組んでどっしりと威厳を感じさせるように座っていた
「来たかガド」
「あんたが呼んだんだろーが」
「ちょっ…ガド様」
入って近くに来て早々喧嘩しそうな雰囲気になる部屋にセシールは慌ててガドを止めようと思ったがそれは父親により止められる
「セシールもう下がれ」
「…!!…はい判りました」
セシールは俯き小さな声で返事すると早く部屋を出ていった、その様子を見届けて父親は再度ガドの方を見て口を開く
「今日はお前に言いたいことがあって呼んだのはわかるな」
(何時も毎回テメェが言いたいときしかよばねぇじゃないかよ)
父親の言葉に内心で悪態つきながらガドは何食わぬ顔で話を聞いとかないとなと自分に言い聞かせて話を聞いとこう
「ガドお前は我が鍛冶師として築いてきた一族の中で出来が悪いに等しい」
この冒頭の言葉でガドの気持ちは更に最悪なものとなった、ようはガドは出来損ないと言いたいらしい。
それなのに父親と言えば顎に手を当てながら遠回しにガドに対しての文句を言ってくるのだ、だが決してガドは鍛冶師としての才能が無いわけでは無い
「いいか、我が一族は鍛冶師としての技術面だけではなく自ら造った武器を自ら闘いで使い腕を磨いてきたんだ」
そうガドの家では鍛冶師の腕だけではなく、自らの武器を使うことにより使用者の立場となりどのように改善するかなどを知りより良い武器を造ってきたのだ、そのおかげでガドの一族はこの都市の上級鍛冶師として名を知られているのである。
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