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ゴールデンウイーク中日
あの飲酒事件から俺達は弘前へ行った、弘前の桜は散り際であった
「俺はもう退学確定だから残りの高校生活、やりたい事するよ」
「俺も辞っめかなーもしかしたら俺もダメかもしれねーし」
幸成がそんな事を言った、確かに幸成は一年の時に事故って入院し停学、それからは何もないが今回の飲酒でバイクは流石にヤバいかも………
弘前でそんな事を話していた
弘前から戻り月曜日、学校へ行った、自分の座席に座り、俺はいつまでこの学校に通えるのか?心配になった、そう考えるととても寂しくなる
俺の飲酒の事は仲間うちは皆知っていた、でも憂(憂子)はまだ知らない、あいつとも会えなくなるって思うと余計寂しくなった
誕生日にチョコレートをもらってから憂との距離は少し縮まっていた、挨拶したり、目で合図したり、少し話すようになっていた
「○○○元気ないね なんかあったの?」
「別になんもないよ」
憂が心配そうに話しかけてきた、思い切って誘おうか?でもなあ憂は車持ちの彼氏居るし…結局声をかける事も出来なかった
「憂、これ」
俺はみんなにバレないように憂に手紙を渡した
「今度遊びに行きませんか?」
って書いて優にそっと渡した、憂は「私に??」みたいな顔をしてサッと手紙をポケット
にしまって少し笑った
そして放課後、帰ろうと廊下に出たところ憂に学ランの裾を掴まれて呼び止められる、目立たぬ様に端へ行った
「ごめん いるから」
下を向いて憂は小さな声で言った
「うん わかった」
憂の腕を軽く叩いて俺はそのまま玄関に向かって下校した
中庭に出て校舎を振り向くと憂が小さく手を振っていた、俺はアゴを上げて笑って答えた、憂も笑っていた
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