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「仕方ねえよな」自分に言い聞かせて俺は鞄から赤いジャンパーを出し校庭を出てからサッとそれを着てCBRを止めてある所に向かった
今日から学校にバイクで来る事にした、どうせ退学になるなら好きな事したい、中学時代の友人の家が学校の近くで止めさせてもらう事にした
CBRのエンジンをかけヘルメットをかぶりグローブをした、友人の家からワザとみんなが下校している大通りの中和通りを走って、そのまま港へ向かった
港の道路を二、三本流してから酒屋の自販機でコーヒーを買い小さな埠頭の奥にバイクを止めた、ここに来るのはいつものパターンだった
固いコンクリートに座りタバコを吸った、さっきの憂の笑顔が頭に焼き付いて離れない
「これからだってのに何で退学になっちまうんだ…」
直に退学になるのが怖くて仕方なかった、タバコ吸いながらコーヒーを飲んだ、海の遥か向こうに岬が見える、隣の県の深浦町だ
「あそこまで行ってみっか…」
何の目的もなく俺はCBRでそこまで行く事にした
ムシャクシャした気持ちと現実逃避したかったのかもしれない………
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