憧れのバイクとの出会い

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憧れのバイクとの出会い

新学期が始まりバイク仲間の浩二からいい話が飛び込んできた 「お前の探してるバイク 俺のオヤジが見つけたってよ オヤジの知り合いの納屋にあるらしい」 それから翌日、浩二のオヤジと三人で見に行った 「こっちだ!こっちさあるよ!」 「ああっ!!! これだこれ!!間違いない…」 黒と赤でステンレスの集合管 「それも後期形のCBR-400F…」 納屋の奥でホコリをかぶって横たわっていた 「こんな田舎の納屋にあったなんて…」 中3の時、少女漫画ホットロードの主人公「春山」が乗っていたバイク、「春山」は暴走族であったが、春山とそのバイクの硬派なイメージに、凄く憧れを持っていた、高一時も、高二の時も金が無くて買えなかった あれから約2年、ついにあのバイクに巡り会えた 何せ東北の田舎町、当時はインターネットもある訳もなく、中古バイクの雑誌などもない、バイク屋は数店舗、だからこれはある意味奇跡的だった 「これナンボだ?」 浩二のオヤジが聞いた 「20万…」 「おい!ちょっと高いだろ!」 結局、交渉決裂で出直す事にした 「心配すんな、あのオヤジよく知ってるから、交渉してやっから待ってろ」 軽トラの中で浩二のオヤジがそう言ってくれた 俺はその言葉を信じて少し待つ事にする、頭の中ではもうあれを絶対に手に入れたいって… 興奮して夜も眠れないほどだったんだ…
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