誕生日に

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誕生日に

いよいよ今日、バイクを手に入れる事が出来る、朝から落ち着かない、授業なんか聞こえもしなかった 午前が終わり昼休み、体育館でバスケをしていた すると……!! 憂が向こうで俺に?手招きして呼んでいる、仲間が気付いた 「おっ!何だ?何だ?」 「わりっ…俺ちょっと抜ける…」 俺は仲間の冷やかしを受けながらも嬉しいクセに、照れ隠しでワザと気のない態度で憂のところへ行った 「なんだよ…用事?」 「誕生日おめでとう これ プレゼント」 憂は俺にチョコレートをくれた、チョコレートには可愛らしいリボンと小さな手紙が付いていた 「えっ!? ありがとう 何で俺に?」 「この前何かあげよっか?って聞いたらチョコレート欲しいって言ってたでしょ」 「ああっ!そっか!そうだよ!」 「忘れてたの? 酷くない?」 そうだ、憂に誕生日プレゼントあげるって言われてチョコレート食べたいって言ったんだ、バイクばっかですっかり忘れていた 「ゆんちゃん… ありがと!」 ワザと優しく「ちゃん」付けで憂に言った、憂は少し照れながら笑って教室に戻っていった 俺は嬉しくてそのチョコレートを、脱ぎ捨てていた学ランの内ポケットに大事に忍ばせて、またバスケに戻った 「良いことあったなぁ いいぞ~!!」 仲間に冷やかされながらも憂から突然もらったプレゼントに、嬉しさを隠せなかった、それと同時に憂に特別な気持ちを持ち始めていた 「あいつ可愛いとこあるな」 ヤンキーっぽいとこと、その可愛らしいギャップに彼女へのイメージが明らかに変わっていった 俺なんか相手にされないとか 憂は気が強くてヤンキーだとか 手が届かないとか 同じクラスになって一年ちょっと… 俺の勝手な偏見だったのかなって…
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