始まり…。

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ドアノブに手をかける…金属の冷たい感触と共に、微弱な電気のようなぴりぴりした感じがする。 ドアは、わたしがノブに手をかけた瞬間から鳴ることをやめた。 息を呑む……… ギュッと目を閉じてそれからゆっくりとノブを回す…。 「チャッ……。」いつもは何とも思わないこの音がやけに耳にこだまして聞こえた。 グッと唇を痛いほど噛み締め勢いよくドアを開け固くつぶった目をおしひらく…❗❗❗❗❗❗❗❗❗ 目の前には何も無かった…。ホッとした瞬間足元でギギギ…と鈍い音がした。 いた…。そこに数年前私が話しかけたあの人形が私を見上げようと首を動かしている音だった…。私はその場にドスンと尻餅をついた。というより腰を抜かしたと言った方が正しいだろう…。 人形は冷たい義眼で私の目を真っすぐ見て薄く微笑んだ。 その後の記憶は無い…。 気がつくと朝だった。 残念ながらその人形達はもう居ない…。この事件の後私と妹が母を説得し人形供養に出したのだ。 目、鼻、口のついた人形は魂が宿り易いとどこかで聞いたことがある。 だから人形大切に扱わなくてはならない。 貴方の側の人形達は今幸せですか⁉
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