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可愛いいって得だな~とか頭の隅で思いながら、クリスに聞き返す。
「同居人?」
「はい。どれくらいたちますかね~。ま、長いような短い時間を共に過ごしてますよ」
昔を回想するようにクリスは、顎に手をあて目を細める。
「そんなことどうでもいいわ。あなたは妹を探すために来たんでしょ?」
「あ、うん!」
リリに睨まれ、緩みかけていた顔を引き締めた。
「僕が調べた情報によると、この地区だけで26人が行方不明になっているらしいです」
「この辺りに、奴がいるってこと?」
「確率は高いかと」
「行方不明者に共通点はないの?」
「特には。無差別という感じですね」
「イレイサーらしいわね」
「あの、2人はイレイサーと知り合いなの?妙に、詳しいというか」
物凄く嫌ってる感じだ。特にリリからは、出来れば関わりたくないという空気が漂っている。
「会ったことないわ。でも、特徴は同じね」
「特徴?」
「イレイサーというのは、二つ名みたいなものなんですよ。その名を、継承していくんです。人を消すことが出来るなんて異能です。その血を引く者にしか出来ません。ま、世襲性という感じですかね」
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