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「わ!?な、な…」
「……ネクロマンサーか、確か滅びたと聞いたが」
イレイサーが呟くが、和馬の耳には届かない。
さらに大きな音をたてて木箱の蓋が吹き飛ぶ。蓋はイレイサーの腕をかすめ、ビルの壁に当たり砕け散った。普通の人が当たってたら、即死かも?という衝撃音だ。
本体の木箱のふちに、手がそえられる。
続いて足。
ゆっくりとした動作でそれは姿をあらわした。
「滅びるわけがないわ。私はクライスのネクロマンサー」
リリの横には、2メートル近い長身の男が立っていた。
髪は肩につくほどまで伸び、細身の体をしているが、手足がすらりと長く柔軟な筋肉がついていることが見て分かる。顔は色白を通り越し、青みがかって見えた。目には光がなく、生気をまるで感じない。
「…そっちはパペットか」
イレイサーは出現した男から視線をずらし、ぬいぐるみを抱いているクリスを興味なげに見やる。
「どうも。初めまして」
「ネクロマンサー?パペット?」
俺は、言葉の意味が全く理解出来ていない。3人は何の話をしてるんだ?
ネクロマンサーってのは、リリのことを言っているのか?
パペットっていうのは、あの手に人形をはめて遊ぶやつのことか?
そもそも、リリはいったいどうやって地面からあんなもの出したんだ?
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