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一気に頭がハテナマークでうめつくされる。許容量オーバーだ。誰か説明してくれよ!俺だけ全くついていけてない。
「行け!」
リリの命令と同時、長身の男は目に見えない程の俊足でイレイサーに近付く。
「無駄だ」
歪んだ笑いを浮かべ、自分に向かってくる男に顔を向けた。
「っ!」
リリの目の前で、棺から出てきた男があっさり消えた。本当に、あっけなく…
ギリッと拳を堅く握る。瞳にランランと怒りの光が宿る。離れた場所で見ていたクリスが、
「あ、切れましたね」
と楽しそうに呟いた声は、離れた所に立っていた和馬には届かなかった。
「…お前、殺す」
和馬でさえ、目に見えそうな負のオーラを発するリリが、不吉なことを口に出す。
俺をかばって前に立ってくれているリリから、2歩、距離をとった。
近付くとヤバイ、と本日二度目の危険信号を受信した。
リリをとめたほうがいいのではないかと、横に顔を向けるとそこに立っていたはずのクリスの姿がない。
「近くにいると、危ないですよ~」
ビルの陰にいた。
こっちに来い来いと手まねいている。俺は、腰が引けて変な歩き方になったが、なんとかクリスの横にたどり着いた。
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