消えた墓〓

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小さな頃から色々と体験していた私は、霊が活動を始める日の入りから日の出までの時間帯を避け、昼間友人と自転車を飛ばして近所の心霊スポットを回っていた。 かずあるスポットの中でも信憑性のあるスポット、そこにその墓はあった。 墓地にはお寺とお坊さんの家も隣接していて明るく綺麗な感じだった。 「こんなに綺麗なのに出るのかなあ…⁉」私は友人とそんな会話を交わしながら自転車を墓地の入口に止めて歩き出した。 どの墓も良く手入れされていて、芝生も綺麗に刈られ、ちょっとした公園の様にも思えた。 しばらく歩いて行くと芝生の上に赤いナイロンテープで仕切られた場所があり、そこにはコンクリートを四角く固めただけの石碑に棒か何かでなぐり書きをしたように「ふくだのはか」と書いてあった。 文字の感じから小学生の悪戯か⁉ともとれるほど雑でいい加減な造りでコンクリートが芝生にめり込んでいてまさしく悪戯半分でつくったと言った感じだった。 「何これ~😔悪戯だったら最悪だよね~❗」声を発したのは私だった。友人も私の声にコチラを振り向き「あ~😣❗ホントだ~😣😣❗っていうかこんなのつくってヤバくない⁉お墓って土地を買って建てるもんでしょ⁉」そう言われてこれはただの悪戯では済まされないと初めて気付いた。お坊さんは知っているんだろうか… コンクリートはカチコチに固まっていて、作ってから最低でも数日は経って居るように思えた。私達は暫くその「ふくだのはか」の前でその存在の意味や意義を話し合っていた。日も暮れかけて来たので本物に会いたくない私達は早々に帰宅することにした。 翌日、どうしてもあの墓が気になった私は、学校の帰りにあの墓地に寄り道することにした。 昨日と同じ場所に自転車を留め、昨日と同じ道をたどって「ふくだのはか」に向かった。 ところが「ふくだのはか」が何処にも無い❗❗墓地事態はそんなに大きく無かったので通路を一本づつ捜してみた…。見付からない…❗❗何処にも無い❗❗私が記憶していた場所には青々とした芝生が綺麗に生えそろっていた…。あの墓を動かしたなら芝生がハゲるか日を浴びない若草色の芝生があるはずなのに…❗そんな形跡は何処にも全くなかった…。 仕方なく帰宅した私は、友人に電話をしてさっきの出来事を話した。次の日友人と二人でまたあの墓地へ行った。二人の記憶はやはり間違っていなかった。
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