10人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなに長い時間林に居た記憶はない。昼食を食べてすぐに河原へ遊びに来たはず…。
当時住んでいた自宅からは自転車で5分とかからない。そこからすぐ林へと入ったのだ。時期的には、日が落ち始めるのは夕方の5時頃…最低でも3時間は林の中に居たことになる。子供心に長くても一時間位だったと記憶している。
そう思うと突然怖くなり、慌てて自転車に跨がり一目散に自宅へ帰った。
次の日、よせば良いのに怖いもの見たさからか、またあの河原の林へ行った。
自転車を止め、恐る恐る林へ入って行った。けれどあの二股の道は何処にもなかった。いくら探してもあの森へと続く道は見付からない…。
それから数日間、河原へ通ってはあの道を探し続けたが見付からなかった。
そのうちそんな事があったことも忘れ河原に行かなくなった。
アレからもう20年以上経つ。
あの森は一体何処に消えてしまったのだろう…。またどこかで口を開け、誰かが迷い込んで来るのを待っているのだろうか…。
最初のコメントを投稿しよう!