4616人が本棚に入れています
本棚に追加
/466ページ
しばらくの間、シエルの属性についての話題でクラス中が盛り上がっていた。
そんな中、ヤヨイとシエルだけは何も喋らず、じっとしていた。
もっとも、じっとしている理由は異なるが………。
すると、しばらく呆然としていたグレイヴが突然はっとした表情になり、
「あっ……つ、次はヤヨイだな。来い」
と自分に言い聞かせるように言った。
ヤヨイが無表情のままグレイヴの元へ向かう。
そして、どこか機械的な動きで水晶に手をかざす。
すると、浮かび上がった色は────水色。
青でも白でもなく水色。グレイヴの説明に無かった色に、またもや騒然となるクラス。
そして水色の示す属性は、
「氷………か。また珍しいもんを………」
グレイヴの呟き通り、水色の示す属性は氷。
それは、突然変異とでも言うべきかなり高ランクの希少性を持つ属性だった。
(光の次は氷かよ………。まったく………なんちゅうクラスを受けもっちまったんだ俺は………)
決して表には出さず心の中で不満を漏らすグレイヴ。しかし心の中は、これから一年を不安に思うばかりだった。
最初のコメントを投稿しよう!