森の夢

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幾度も幾度も夢を見る。 森の中に埋もれるように存在する、動植物達が守る大きな古びた遺跡。とても、きれいなところ。 知らない景色なのに、懐かしい。 直感が告げる。夢ではない。 これは『過去』なのだと。 では、誰の記憶なのだろう。 わからない。 それは、わたしにしかわからない。 でも……わたしだって、わからない。 わからないことがもどかしい。 心の中で何かが叫ぶ。「帰りたい」と。 どこへ帰りたいのか。あの遺跡に帰りたいのか。 誰が帰りたいのか。わたしが帰りたいのか。 何も、わからない。
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