小学校

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…小学校にあがる頃には、感情を完全にコントロールする事が出来なくなっていた。 とても性格が暗くなり、学校では常に一人でいた。 人が来れば無視をし続け、もちろん私から、人の居るところは行かない。 それが一年続いた。 ケド、二年のクラス替えで少しずつある人物のお陰で、私の性格が変わっていった。 そいつの名は、 近藤 拓弥(コンドウ タクヤ)。 性格が明るくて、当時の私にとって一番嫌いな性格だった。 「小野って言うんだ!一年間よろしくな!」 「………………。」 もちろん初めは、無視していた。 「小野って俺と家近いよなァ!俺はB39棟で、小野はB41棟だろ!」 「…………………。」 こんなやり取りは毎日続いた。 そしてある日、こんな質問が出た。 「なんで小野は一人で居るの?」 「………………。」 「ねぇ。なんで?」 「………人と関わりたくないから。」 「なんで人と関わりたくないの?」 「………イジメて来る人が居るから…。ってか、なんでこんな事聞いて来るの?」 「小野の事が気になるから…かな?だってさ、小野ってなんか喋りたいケド、喋らないって感じだし…何かほっとけないんだよ。」 「…………………。」 私は泣いた。 こんな事で泣いた。 何されても泣かなかった私が…。 こんな些細な言葉で。
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