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宏人は春華と別れた途端、違和感を感じた。(?…何だろう、この感じ…。よく分からないけど、春華が危ないかも!)
宏人は直感でそう感じとり、ついさっき春華と別れた角に戻ってきた。が…春華はいない。
(は、春華がいない!?何処にいったんだろう…。とりあえず探さなきゃ!!)
そして宏人は春華が向かったほうへと走り始めた。
江野市新市街。
ここはいつもたくさんの買い物客でごったがえしている。
その中に七色の光を放つ衣装を身に纏った、一人の少女がいた。手には水晶玉のような輝く珠のついた杖が握られている。背中には正面とは逆に闇に引き込まれそうな真っ黒なマントが纏われている。そんな目立つ格好をした彼女がなぜか通行人には見えない。気配すら感じられない。その彼女は強い殺気のするほうへ屋根の上を跳びながら近づいていく。
(もうすぐだ!)
さらに加速する。
(しばらく戦ってなかったけど、腕はなまってないか心配ね。)
そう呟きながら“標的”に近づいていた。
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