戦いの始まり

7/12
前へ
/37ページ
次へ
宏人は遠くにおこる地響きと爆音を感じていた。 (やっぱり何かがおかしい…。こんなに地響きがなってるのに、誰も気付いてないみたいだ…。) 宏人はさらに駆ける脚に力を込めた。 (!…これは〝水神・アクアマリン〟!!そんなすごい術者だったのか!?このままだったら負ける!!どうしよう…。) ダイノスは焦っていた。それもそのはず。〝水神・アクアマリン〟とは、その名の通り“水の神”なのである。それをこの世に発現できるのは、ごくわずかな“水術師”もしくは水魔法の使える“魔導師”だけなのだから。 「行くわよ!」 「“北の大地、南の蒼穹、東の噴煙、西の濁流。”」 「“四つの力よ我が胸に、水神〝アクアマリン〟の力とならん。”」 「“世界を覆う聖者の魂、地獄の使い魔。”」 「“我が問いに応え、一つになられよ。”」 「“破壊の詠唱第一段、翔劾縛撃(しょうがいばくげき)!!”」 春華は杖を前に出し、詠唱を終えた。 終えた、のだが…。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加