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宏人は遠くにおこる地響きと爆音を感じていた。
(やっぱり何かがおかしい…。こんなに地響きがなってるのに、誰も気付いてないみたいだ…。)
宏人はさらに駆ける脚に力を込めた。
(!…これは〝水神・アクアマリン〟!!そんなすごい術者だったのか!?このままだったら負ける!!どうしよう…。)
ダイノスは焦っていた。それもそのはず。〝水神・アクアマリン〟とは、その名の通り“水の神”なのである。それをこの世に発現できるのは、ごくわずかな“水術師”もしくは水魔法の使える“魔導師”だけなのだから。
「行くわよ!」
「“北の大地、南の蒼穹、東の噴煙、西の濁流。”」
「“四つの力よ我が胸に、水神〝アクアマリン〟の力とならん。”」
「“世界を覆う聖者の魂、地獄の使い魔。”」
「“我が問いに応え、一つになられよ。”」
「“破壊の詠唱第一段、翔劾縛撃(しょうがいばくげき)!!”」
春華は杖を前に出し、詠唱を終えた。
終えた、のだが…。
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