16人が本棚に入れています
本棚に追加
……………。
術は発動しなかった。
(やはり無理だったか…。)
春華は冷静に、今の状況を分析し、次の手を考えていた。
ちなみに、今の状況は…ダイノスの“衝撃花火”が春華に向かって、しかも目の前に迫っていた。春華は〝アクアマリン〟の上に乗ってはいるが、“衝撃花火”は軌道を変え、春華に迫ってきていたのだった。
(危険、緊急回避策発動。)
「“雷牙刃斬(らいがはざん)”!!」
春華は詠唱無しで「“第三章”」を唱えていた。詠唱無しでは魔方陣はいらない。時間的には短縮されるが、威力は普通の十分の一程度になり、また、魔力も大量に消費してしまう。なので、緊急時や不意討ち以外ではほとんど使われる事はない。
魔法を唱えた瞬間、鋭い光とともに、巨大な爆発がおこった。お互いの魔法がぶつかりあい、激しい爆発を生んだのだ。
だが…
(足りない!)
春華は相殺しきれなかった魔法を身体で受けてしまった。
瞬間、火炎弾が弾け、身体を突き抜ける!
(っ!…がはっ!)
「やって、くれるじゃ、ない…。」
春華は一撃で瀕死のダメージを受けていた。
最初のコメントを投稿しよう!