戦いの始まり

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……………。 術は発動しなかった。 (やはり無理だったか…。) 春華は冷静に、今の状況を分析し、次の手を考えていた。 ちなみに、今の状況は…ダイノスの“衝撃花火”が春華に向かって、しかも目の前に迫っていた。春華は〝アクアマリン〟の上に乗ってはいるが、“衝撃花火”は軌道を変え、春華に迫ってきていたのだった。 (危険、緊急回避策発動。) 「“雷牙刃斬(らいがはざん)”!!」 春華は詠唱無しで「“第三章”」を唱えていた。詠唱無しでは魔方陣はいらない。時間的には短縮されるが、威力は普通の十分の一程度になり、また、魔力も大量に消費してしまう。なので、緊急時や不意討ち以外ではほとんど使われる事はない。 魔法を唱えた瞬間、鋭い光とともに、巨大な爆発がおこった。お互いの魔法がぶつかりあい、激しい爆発を生んだのだ。 だが… (足りない!) 春華は相殺しきれなかった魔法を身体で受けてしまった。 瞬間、火炎弾が弾け、身体を突き抜ける! (っ!…がはっ!) 「やって、くれるじゃ、ない…。」 春華は一撃で瀕死のダメージを受けていた。
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