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宏人はいつもどおりチャイム5分前に教室に飛び込んだ。…ヘッドスライディングで。
「一塁、アウト!」
と、ノってくれたのは宏人の親友の小西一(こにし はじめ)。
宏人の親友で、テストではいつも1番。スポーツ万能で、クラスからの人気も1番のまさに「一」の名にふさわしい人物だ。
「お、おはよう。」
さっきのヘッドスライディングでぶつけた頭をさすりながら宏人が言った。
「おう、今日も朝から元気だな!頭大丈夫か?」
「…大丈夫じゃないかも。」
「保健室行くか?」
「…そうする」
保健室に向かう廊下。
そこにはこの学校の制服を着た、見知らぬ女の子が立っていた。
(あれ、こんな人この学校にいたっけ?)
宏人は不思議に思ったが、今はそれどころじゃなかったのでとりあえずそのまま横を通りすぎた。
この日から、宏人の住む世界が360゚変わってしまう事は知る由もない。
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