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「ん、もう決まっているのか?」
ケルーシがカナルタの視線の方向を見て尋ねた。視線の先にはさっきのおじさんっぽいお兄さんが不安そうにこちらを見ていた。
「ああ。あいつも新入りさ。つい一ヶ月前にここに入ってきてな。ただしまだ依頼を1つもこなしてはいないんだが」
「じゃああの人でいいです」
「え、わ、わたくしですか?」
男はぽかんとした表情でカナルタを見ている。ケルーシは呆れた表情でカナルタを見た。
「大丈夫か?新米2人でチームを組むだなんて大変極まりないぞ」
「な、あたしだってここの仕組みぐらいは理解してます。ここにいる期間だけは長いですしね」
「仕組みを理解しているだけじゃどうにもならんと思うんだが」
ケルーシは救いようがないと言うかのようにがっくりと肩を落とした。
「じゃあ、お前はどうなんだ? こいつとペアを組むのに異存はあるか?」
「い、いいえ。わたくしは構いませんのでございます」
「なら成立だ。俺はお前らによほどの事がない限りはとやかくは言わん。とりあえず明日から依頼をこなしてもらうから互いの事を認識しておくんだな」
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